在宅医療の費用

 在宅医療を受けることができる条件は特に規定があるわけではありませんが、一般的に通院が難しくなった方とお考えいただければと思います。ご本人の様子、ご家族の介護力、地理的な問題、公共交通の問題など様々な側面から検討し、在宅医療がその方らしい人生を維持するのに有効であると考えられるときに選択肢となります。前にも記しましたが、ご本人や介護される方と私達が出会い、信頼関係が築かれるまでにある程度の時間が必要です。在宅医療は人と人の営みですので、早めにご相談いただければと思います。

 実際「在宅医療」を受けた場合、費用はどのくらいかかるのでしょうか。体の調子はもちろんのこと、どんなサービスをどのように組み合わせるかによっても人それぞれ異なります。

 医師の訪問診療に関しては、病院への通院・入院と同じように「健康保険」が適用になりますから、実際にかかった医療費の1〜3割が自己負担金となります。在宅医療となると、外来に通院するよりは多少割高かもしれません。しかし、通院の付き添い・介助の負担や、24時間いつでも連絡がつき、必要があれば夜間休日でも医師・看護師が伺える体制となっている利点を考えると、決して割高ではないと思っています。また、看護師の訪問に関しては、医療保険もしくは介護保険が適用になります。いずれの場合も1〜3割負担で利用できます。

 通院や入院の場合、食費・雑費の他に、タクシー代などの交通費、家族が仕事を休んだりする代価、などを考えておく必要があると思います。

 個々の事例により自己負担額は変わりますので、ケアマネジャーや医師・看護師にご相談いただければ、具体的にご説明させていただきます。